神奈川県藤沢市の山下輝也土地家屋調査士事務所のWebサイトは、深みのある青緑と淡いミントグリーンという明度差のある二つの緑だけで画面を組み立て、士業に求められる落ち着きを最後まで保っている点が印象的です。強い色や派手な装飾を足さず、写真の質感と余白の広さで信頼感を作っています。
土地の境界や登記は、依頼を検討する段階では作業の様子が想像しにくい分野です。このサイトでは、木の家の模型、測量機器を構える様子、境界標の接写といった写真を要所に置き、扱っている仕事の中身を視覚的に補っています。
ここからは、ファーストビューの構成、配色と書体の使い分け、セクションのレイアウト、そして情報設計と問い合わせ導線という順番で、この画面がどのような意図で組まれているのかを読み解いていきます。
ファーストビューは写真と広い字間で落ち着きを先に伝えます
トップページを開くと、画面いっぱいに広がる写真の上へ大きな見出しが重なる構成が目に入ります。要素を詰め込まず、写真の情報量も抑えることで、閲覧者が最初に受け取る印象を静かで丁寧な方向へ寄せています。写真の右下には日付とリンクが並ぶ更新情報の帯が重ねて置かれ、画面の下端で次のセクションへの橋渡しをしています。ここでは背景写真、見出しの組み方、ヘッダーの三点を順に見ていきます。
模型と自然光の写真で仕事の中身を想像しやすくしています
背景写真では、木でできた家の模型と赤いブロックが並び、奥の緑がやわらかくぼけています。土地と建物を扱う事務所であることが一目で伝わりながら、工事現場の写真ほど硬い印象にならない距離感がうまく保たれています。
赤いブロックは画面の中でほぼ唯一の強い色で、緑が支配する画面のアクセントとして働いています。色数を絞ったサイトほど写真の中の一色が全体の印象を左右することが、よく分かる作りです。
見出しは字間を広げた二行組みでまとめています
写真に重なる見出しは、明朝体系の書体で字間を大きく開け、二行に分けて配置されています。一文字ずつの間隔が広いおかげで写真の上でも文字が沈まず、読み下すテンポもゆっくりになります。
その下には小さな一行のコピーが続き、公務員として培った経験と、現場へ素早く動ける姿勢という事務所の立ち位置を短い言葉で示しています。文字サイズの差がはっきりしているので、視線は上から下へ自然に流れます。
ヘッダーは名称と連絡手段だけに絞られています
画面上部の白い帯には、左に事務所名、右に電話番号と営業時間、メールでの問い合わせボタン、そしてメニューを開く三本線のアイコンだけが並びます。ページ名を横一列に広げず開閉式のメニューへ預けた分、ヘッダーの情報量が軽くなっています。
電話番号は緑の文字で大きめに置かれ、すぐ下に営業時間が小さく添えられています。連絡手段を最初の画面から探させない構成は、急ぎの相談が入りやすい業種と相性のよい判断です。
二種類の緑を役割で使い分けた配色とトーンです
配色は、濃いティールと淡いミントという明度の違う二つの緑を軸に組み立てられています。色相をそろえているためセクションが切り替わっても印象がぶれず、士業らしい一貫したトーンが保たれます。ここでは色の役割分担と、書体の使い分けを取り上げます。
面の広さと濃さで情報の階層を作っています
濃いティールはボタンや事務所概要の背景など、見てほしい場所に限って使われています。淡いミントはセクション全体の下地や囲みに使われ、同じ緑でも役割がはっきり分かれているため、押せる場所が色だけで伝わります。
間に挟まる白やごく薄いグレーの帯も効いていて、緑の面が続きすぎないようにリズムを整えています。淡いミントのパネルには斜めの筋がうっすらと入り、単調になりがちな塗り面へ奥行きを与えています。
明朝体の見出しとゴシックの本文で読みやすさを両立しています
各セクションの見出しは、小さな英字ラベルを上に置き、その下へ明朝体の日本語見出しを重ねる二段構成で統一されています。英字ラベルが目印になるため、縦に長いページでも現在地を見失いにくくなっています。
本文はゴシック体で行間を広めに取り、見出しとは質感を変えています。書体の役割を分けているので、線や囲みを増やさなくても見出しと本文の区別がはっきりします。
左右を入れ替えるレイアウトでサービスの違いを伝えています
中盤のセクションは、写真のブロックとテキストのパネルを画面の左右で組み合わせ、セクションごとに配置を反転させています。同じ形の繰り返しを避けながら、読み方の約束事は共通させた構成です。ここでは配置の工夫、見出し周りの線、ボタンの描き分けを見ていきます。
写真とテキストを交互に入れ替える構成です
事業内容のセクションでは左に写真、右に説明パネルが置かれ、続く境界の解説では左右が入れ替わります。視線がジグザグに動くため、下へスクロールしていても単調さを感じにくくなっています。
写真は一枚の大判ではなく、複数のカットをタイル状に組み合わせています。造成地の風景、測量機器を扱う様子、登記の書類と木造の軸組模型、地面に設置された境界標の接写といった素材が並び、業務の広がりが写真だけでも伝わります。
模型写真で境界という見えないものを可視化しています
境界の解説セクションに添えられた写真では、隣り合う二軒の家の模型が置かれ、その間の地面に一本の線が引かれています。線の左右にはミニチュアの人形が座り、隣どうしの関係と境界線の存在が一枚で説明されています。
言葉で説明すると難しくなりがちな概念を、写真の選び方だけで伝えている好例です。専門的なサービスを扱うサイトでは、こうした比喩的な素材選びがそのまま分かりやすさにつながります。
見出し下の細い罫線と丸が写真とパネルをつないでいます
テキストパネルの見出しの下には細い横罫が引かれ、写真側の端に小さな丸が置かれています。装飾としては控えめですが、離れて置かれた写真とテキストを一つのまとまりとして見せる役割を果たしています。
パネルそのものにも細い枠線が回り、背景との境目がはっきりします。線の太さを最小限にとどめているため、全体の静けさを損なわずに区切りだけを示せています。
ボタンは塗りと線で優先度を描き分けています
ボタンは二種類です。濃いティールで塗りつぶした白文字のものと、白地に細い線で囲んだ緑文字のものが、置かれる場所によって使い分けられています。前者は各セクションの主要な入口に、後者は一覧や概要といった補足的な入口に使われています。
同じ文言のボタンでも見た目の強さで優先度が伝わるため、閲覧者は次に押す場所を迷いません。角を丸めない直線的な形も、事務所が打ち出す堅実な姿勢とよく合っています。
依頼者と近隣の方という二つの読み手を想定した情報設計です
このサイトの情報設計で最も特徴的なのは、読み手をこれから依頼する人だけに限定していない点です。ナビゲーションには、依頼を検討する方向けのページと、近隣にお住まいの方に向けたページが並んで置かれています。順に見ていきます。
検討の順番に沿ってページが並んでいます
メニューは、事務所の紹介、事業内容、境界の解説、相談の流れ、よくある質問という順で並びます。まず相手を知り、次に何を頼めるのかを確かめ、疑問を解消してから問い合わせるという検討の道筋に沿った並び順です。
トップページのセクションもこの並びをほぼなぞっているため、メニューから入っても上から読み進めても同じ順路をたどれます。ページ間で構造が食い違わないことは、サイト内の回遊のしやすさに直結します。
測量の案内を受け取った近隣の方への入口を独立させています
ナビゲーションの中には、測量の案内が届いた近隣の方に向けたページが、独立した項目として置かれています。フッターのリンク一覧にも同じ項目が並び、トップページの記事カードからもたどれるようになっています。
土地家屋調査士の業務は、依頼者だけでなく隣接する土地の所有者にも関わります。検索でサイトを訪れる人の中に、案内の文書を受け取って戸惑っている近隣の方がいることを見越し、その人専用の入口を最初から用意している設計は、士業のサイトとしては珍しい配慮です。
問い合わせを集めるための導線とは別に、関係者の不安をやわらげるための導線を持たせる考え方は、地域に根ざしたサービスサイト全般で参考になります。
手続きの流れと問い合わせ導線の見せ方です
下層ページもトップページと同じ配色と書体で統一されています。とりわけ手続きの説明と問い合わせの部分は、初めて依頼する人がつまずきやすい場所なので、段階と選択肢がはっきり分かる形に整理されています。
五つの段階に分けて手続きの全体像を示しています
相談の流れのページでは、資料の調査から現地での測量、隣接する土地の所有者との立ち会い、境界標の設置、法務局への申請と書類の引き渡しまでが、番号付きの五段階で説明されています。通し番号が振られているため、説明のどのあたりを読んでいるのかを見失いません。
よくある質問のページも、質問と回答を記号で分けた形式でそろえられています。境界が分からないまま相続を迎える不安や、建物を新築した後に必要になる手続きなど、実際に検索されそうな疑問が拾われています。
電話とメールを対等に並べた問い合わせブロックです
ページ下部の問い合わせは、一つの枠を縦の線で二つに割り、左に電話、右にメールを配置しています。どちらか一方を大きくするのではなく、同じ大きさのボタンを並べて選択を委ねる形です。
電話側のボタンには受話器のアイコンと営業時間が添えられ、メール側には封筒のアイコンが付いています。手段の違いがアイコンで示されているので、文字を読み込まなくても判断できます。
事務所概要は濃い緑の面にまとめています
事務所概要は、濃いティールの面へ白い文字を置いた一覧形式です。項目名と内容を左右に分け、行と行の間へ細い罫線を挟むことで、色の濃い背景でも情報を追いやすくしています。
載っているのは、事務所名、所在地、電話番号、営業時間、定休日、最寄り駅といった基本の情報です。神奈川県藤沢市城南に事務所を構え、JR東海道本線の辻堂駅から車で8分ほどという位置関係も示されています。
まとめとして、藤沢市の土地家屋調査士事務所のサイト設計を振り返ります
山下輝也土地家屋調査士事務所のWebサイトは、色数と書体を絞り込み、写真とレイアウトの変化だけで情報を整理した見本のような作りです。強い訴求で押すのではなく、静かな画面を保ったまま必要な情報へたどり着かせる設計になっています。
掲載されている業務は、土地の境界を確定させる仕事、現況の測量、建物の表題や変更、滅失にあたる登記の手続きです。測量は神奈川県内の全域、建物に関する登記は全国が対象と示され、営業時間は8時30分から17時30分、定休日は土日祝日と記載されています。
士業やコンサルティングのように形の見えにくいサービスを扱うサイトを設計する方にとっても、写真の選び方と導線の描き分けは参考になります。藤沢市で登記や測量を任せられる山下輝也土地家屋調査士事務所の公式サイトで、実際の画面と情報設計をご確認ください。







