東京都東久留米市で施工を手がけるシープハウルの公式サイトは、住宅の工事を扱う事業者らしい実直さと、写真を大きく見せる現代的な構成を両立させたデザインでまとめられています。装飾を足し続けるのではなく、白と黒を土台に差し色を一色だけ置く引き算の設計で、扱う内容の落ち着きをそのまま画面の印象へ置き換えています。
この記事では、シープハウルのサイトをWebデザインの見本として取り上げ、ファーストビューの構成、配色、情報設計、UIと導線の作り方を順番に読み解いていきます。住宅やリフォームに関わるサイトを企画している方が、自社の設計に取り入れやすい視点を中心にまとめました。
結論から挙げますと、このサイトの見どころは二つあります。一つは屋根という単一のモチーフをロゴからメインビジュアルまで一貫して使い切っている点、もう一つは情報のかたまりごとに同じ並び順を反復し、読み手が構造を予測できる状態をつくっている点です。
屋根のかたちを主役に据えたファーストビュー
シープハウルのファーストビューは、写真の見せ方そのものにブランドの記号を仕込んでいる点が特徴です。単に大きな写真を敷くのではなく、写真の輪郭を加工することで、社名やロゴを読む前に業種が伝わる導入部に仕上げています。ここでは、ロゴとメインビジュアルの関係、そしてコピーまわりの処理を順に見ていきます。
家型のロゴとメインビジュアルの切り抜きが呼応する導入部
ヘッダー左上のロゴは、家の形をした黒いシルエットの中に社名を白抜きした構成です。同じ屋根の輪郭が、その直下のメインビジュアルでも使われています。全幅の写真は上端が左右から斜めに切り取られ、中央が高くなる三角形が浮かび上がるため、スクロールを始める前に住まいを扱うサイトであるという前提が伝わります。
写真そのものは、明るいリビングでソファに腰かける家族を写したものです。工事中の現場ではなく暮らしている場面を選んでいるため、工事の話題に入る前に完成後のイメージを見せる流れになっています。ロゴの図形と写真の切り抜きが同じ形で重なることによって、記号としての一貫性も保たれています。
コピーを囲むL字のラインと連絡先バーの置き方
メインコピーは白い太字で写真の左側に置かれ、文字に縁取りを加えることで背景の明るい部分でも読み取れるようになっています。その下のサブコピーには、オリーブグリーンの細い線を折り曲げたL字のラインが添えられ、二行のコピーを抱え込むように配置されています。この線は屋根の勾配とも角度が近く、装飾でありながらモチーフの繰り返しとしても働いています。
ファーストビューの右下には、電話番号と受付時間を載せた白いバーと、封筒のアイコンを添えたオリーブグリーンのブロックが横並びで置かれています。写真の中へ連絡先を溶け込ませるのではなく、白と緑の面として切り出しているため、スクロールを始める位置で連絡手段が視界に入る作りになっています。
白と黒にオリーブグリーンを一色だけ足した配色設計
配色は、白から薄いグレーまでの背景、黒に近いテキストとボタン、そしてオリーブグリーンの差し色という三層で構成されています。色数を絞る判断そのものは珍しくありませんが、このサイトは差し色の使いどころを限定しているため、画面をまたいでも印象がぶれません。ここでは色の役割分担と、背景の切り替え方を確認します。
差し色を絞ることで生まれる落ち着いた印象
オリーブグリーンは、ファーストビューの問い合わせブロック、Q&Aの番号、見出しに添える短い横線、記事一覧の日付に並ぶタグ、地図まわりのボタン、そして最下部の連絡先セクションの背景に絞って使われています。押してほしい場所と読み進める目印になる場所だけへ同じ色を割り当てているため、色そのものが注目してほしい箇所の合図として機能します。
くすみを含んだ緑は、木や土といった素材の色と相性がよく、住宅の写真と並べても浮きません。彩度の高い色で目立たせる代わりに、白い余白の量を確保して視線を集める方法を取っており、全体としては誠実さの伝わるトーンにまとまっています。
コンクリート調のテクスチャが担う場面転換
ページの中盤には、コンクリートの壁を思わせるグレーのテクスチャを全幅で敷いた帯が続きます。白い背景が続くページの中でこの帯だけ質感が変わるため、章が切り替わったことが感覚的に伝わります。素材感のある背景は読みにくさにつながることもありますが、文字を白いボックスの上に置いたり、余白を広めに取ったりすることで可読性を確保しています。
この帯の中では、見出しを白いボックスで二段に分けて少しずらしながら重ねる表現や、大きな英字と写真を重ねる表現が使われています。平坦になりがちな縦長のページに、質感と重なりで変化を与える工夫として参考になります。
反復のリズムでつくられた情報設計
シープハウルのサイトは、トップページに載せる情報の順番が明快です。各セクションが同じ型を繰り返すため、読み手はスクロールしながら次に何が来るかを予測でき、必要な場所だけを拾い読みできます。ここでは、その型の中身と、ブロックの使い分けを見ていきます。
英字の大見出しと日本語の小見出しが対になった構成
それぞれのセクションは、Constructed、Message、Concept、Service、Q&A、Greeting、Feature、About、Blog、Column、Contact usという英字の大見出しから始まります。その下に日本語の小見出しが置かれ、続いて説明文、最後に下層ページへ進むボタンという並びが、ほぼすべてのセクションで守られています。
英字は装飾として置かれているように見えますが、視線を止める目印としての役割を担っています。意味を伝えるのは日本語の小見出しと説明文であり、役割が分かれているため、英語を読み飛ばしても情報が欠けません。同じ順番の反復は単調に見えることもありますが、下層ページが多いサイトでは迷いを減らす方向に働きます。
全幅の写真とカード型ブロックの使い分け
施工の記録を紹介するセクションでは、三枚の写真を画面の端まで届く横一列で並べ、続くセクションでは写真付きの三カラムカードに切り替えています。さらに、コンセプトと事業内容を並べた箇所では、二枚の写真を斜めのラインで切り分けて左右に配置し、その背後にオリーブグリーンの帯を通しています。
全幅で見せるか、カードで囲むか、斜めに切り分けるかという選択が、内容の性格によって変えられています。写真を主役にしたい箇所は枠を外し、並べて読ませたい箇所は枠で揃えるという整理は、情報量の多いトップページを組み立てるときの手本になります。
問い合わせまでの導線とUIの作り込み
住宅の工事を扱うサイトでは、相談へ進むまでの経路をどれだけ短くできるかが設計の要点になります。シープハウルのサイトは、連絡手段を一か所に集約するのではなく、画面のいくつかの高さに繰り返し置く方法を選んでいます。ここでは導線の配置と、ボタンやカードの見え方を確認します。
連絡先を複数の位置に置いた導線設計
電話番号は、ヘッダーの右上、ファーストビューの右下、下部のContact usセクション、そしてフッターに現れます。あわせて「お問い合わせはこちら」と記されたボタンも、ヘッダーでは細い枠線のボタン、ファーストビューでは緑の面、Contact usでは黒い長方形という形で姿を変えながら置かれています。
同じ行き先を複数の高さに配置することで、どこまで読んだ方でも手近な位置から次の行動に移せます。形状や色を少しずつ変えているため、繰り返しの多さよりも、必要なときに見つかるという印象が先に立ちます。
黒いボタンとカードが担う視認性
下層ページへ進むボタンは、黒い長方形に白い文字という同じ仕様で統一されています。背景が白でもグレーのテクスチャでも同じ形が保たれるため、ボタンであることが一目で分かります。中央に揃えられたボタンはセクションの終点としても働き、読み終わりの位置を示す目印になっています。
Q&Aのセクションでは、質問を三枚のカードに分け、それぞれに斜体の大きな番号を添えています。カードにはわずかな影が付き、背景から浮き上がって見えるため、並列した情報のまとまりとして認識しやすくなっています。地図を置いた枠の近くには、オリーブグリーンのボタンが単独で置かれ、周囲の黒いボタンとは性格が異なることが色で示されています。
タイポグラフィと写真表現から読み取れる姿勢
文字と写真の扱いは、サイトの語り口をそのまま表します。シープハウルのサイトは、見出しで強く、本文で静かにという緩急をはっきりつけており、読み手が受け取る情報の優先順位が視覚的に整理されています。ここでは書体の使い分けと、写真の選び方を見ていきます。
太い英字と細い日本語が生むコントラスト
英字の大見出しには、縦に長く字幅を詰めた太いゴシック体が使われ、視線を強く受け止めます。一方で日本語の小見出しと本文には線の細いゴシック体が使われ、字間と行間をゆったり取っています。太さの差が大きいぶん見出しと本文の境目がはっきりし、長い文章が続いても視線が迷いません。
代表あいさつのセクションでは、背景に大きな薄いグレーの英字を敷き、その上へ日本語の見出しを重ねる表現が使われています。会社概要にあたるセクションでは、右端に縦書きの見出しを配置し、横組みの情報との対比をつくっています。文字を装飾の一部として扱いながら、読ませたい文字は前面に置くという整理が徹底されています。
施工写真と人物写真の役割分担
掲載されている写真は、施工中の現場、設備が入った室内、打ち合わせの様子、暮らしの場面といった種類に分かれます。技術を伝えたい箇所には作業や設備の写真を、姿勢を伝えたい箇所には人物の写真をというように、目的に応じて使い分けられています。
色調も落ち着いた自然光の写真で揃えられており、木の色や白い壁が続くため、写真が切り替わっても画面の温度感が変わりません。撮影の条件がばらつきやすい施工写真を扱う場合でも、掲載する位置と大きさを整えることで統一感を出せる例として参考になります。
サイトの構成から読み取れるシープハウルの取り組み
デザインの分析に加えて、サイトが何をどの順番で伝えようとしているのかも見ておきます。掲載内容から読み取れる範囲でまとめますと、事業の柱と対応の姿勢を早い段階で示し、その裏づけとなる経歴や資格を後半に置く構成になっています。
原状回復と介護リフォームを軸にしたページ構成
グローバルナビゲーションとフッターのリンクには、内装、バリアフリー、手すり、介護、原状回復といった項目が並びます。賃貸物件の退去立ち会いを含む原状回復の工事と、手すりの取り付けや段差の解消といった介護に向けた小規模な工事が主な柱であることが、サイト全体の構成から読み取れます。対応する範囲は、東京都東久留米市を中心とした東京都と埼玉県のエリアと記載されています。
代表あいさつのセクションには、代表の西川 拓郎様の言葉とともに、第二種電気工事士や福祉住環境コーディネーター2級といった保有資格が並びます。大工歴50年の職人が在籍していることも複数の箇所で触れられており、技術面の裏づけになる情報を分散させず一つのセクションへ集めている点は、信頼に関わる内容の見せ方として合理的です。
東久留米で介護リフォームを考えるときに見ておきたい視点
一般に、介護に向けたリフォームでは、暮らす方の動作と生活動線に合わせて計画を立てることが基本になります。手すりを付ける位置や高さ、段差を解消する範囲、扉の開き方といった要素は、住まいの間取りと使う方の状態によって適した形が変わるため、現地を見たうえで具体化していく流れが一般的です。
また、賃貸の住まいでは原状回復の考え方も関わるため、建物の種類によって検討の進め方が変わります。依頼先を比べる際は、どの範囲の工事に対応しているのか、地域のどこまでを対応の範囲としているのか、施工の記録が公開されているのかといった点を確認しておくと、依頼後の食い違いを減らしやすくなります。シープハウルのサイトでは、施工事例やよくある質問が独立したページとして用意されており、こうした確認を進めやすい構成です。
デザイン見本として参考になるシープハウルのサイト
シープハウルのサイトは、屋根という一つの形をロゴとメインビジュアルで共有し、白と黒に一色の差し色を足すだけで世界観をつくり上げています。セクションの型を反復して情報の並びを予測できるようにし、連絡先とボタンを繰り返し置くことで行動までの距離を短く保つという、地域に根ざした事業者のサイトに求められる要素が丁寧に押さえられています。
写真を大きく扱いながら文字の読みやすさを落とさない設計、質感の違う背景で章を切り替える方法、色の役割を限定する判断は、住宅や施工に関わるサイトを作るときにそのまま応用できます。実際の動きや下層ページの作りとあわせて確認すると、より参考にしやすいはずです。







