Hata’s Hamperは、日本各地の生産者が育てた旬の食材をお取り寄せできる通販サイトです。トップページを開いてまず伝わってくるのは、商品をひたすら並べて売り込む勢いではなく、食材そのものの色と質感を静かに見せようとする設計思想です。生成りのベージュを敷いた背景、マスタードに近い黄土色のアクセント、そして大きく扱われた産地の写真が、高級食材のセレクトショップらしい落ち着いた世界観を組み立てています。
ここでは、Hata’s Hamperのトップページを題材に、配色、ファーストビュー、情報設計、UIの考え方を順番に読み解いていきます。産地直送の食材や食品を扱うサイトをつくるとき、どこに手をかければ上質さが伝わるのかを考える手がかりになります。
食材の色を引き立てるために、配色は三系統へ絞られています
このサイトの配色は、白と生成りのベージュ、マスタード系の黄土色、濃いチャコールグレーという三つの系統にほぼ絞られています。色数を抑えた理由は明快で、いちじくの赤紫、とうもろこしの黄色、メロンの果肉のオレンジ、ミニトマトの赤といった食材の色を、画面のなかでいちばん鮮やかな存在にするためです。背景が主張しないので、写真が並んだだけでページに彩りが生まれます。
白と生成りを使い分けて区切りをつくっています
新着情報やコンセプトのブロックは白に近い背景、ファーストビューの左半分やその周囲は生成りのベージュというように、明度の近い二色を使い分けてセクションの境目をつくっています。罫線や枠線をほとんど使わずに区切りを表現しているため、画面は最後まで静かなまま進みます。色のコントラストではなく、余白と質感の差で構造を示す手法です。
マスタードのアクセントが視線の着地点になります
操作してほしい箇所には、マスタードに近い黄土色が使われています。ヘッダー直下の細い帯、新着情報と生産者の各ブロックの下に置かれた横長のボタン、フッターの見出し文字や入力欄の枠線が同じ色でそろえられており、画面を下へたどるあいだ、この色が出てきたら押せる箇所だという判断がしやすくなります。ベージュの背景に対して黄土色は十分に目立ちますが、原色ほど強くないので上品さを損ないません。
ファーストビューは左右分割で、言葉と写真の役割を分けています
画面上部のスライドショーは、左側をベージュの面、右側を写真というように縦へ真っ二つに割った構成です。文字を写真の上に重ねないため、見出しが背景に埋もれず、写真も被写体を切り取られずに済みます。文章と画像のどちらも読み手に届けたいときに有効な割り付けです。
左の面には大きなセリフ体の英文見出しが置かれています
左側には二行に分けた大きな英文の見出しと、その下に一行の補足文が白抜きで配置されています。書体は線の太さに強弱のあるセリフ体で、果実の甘さや職人らしさといった情緒を書体そのものが受け持っています。見出しの上下には広い余白が取られ、文字数を増やさずに存在感を出す考え方が徹底されています。
右側の写真は人の手ごと収穫物を写しています
右半分には、白い服を着た人がいちじくを両手で持っている写真が、画面の高さいっぱいに置かれています。果実だけを切り抜いた物撮りではなく、収穫した人の手を一緒に写すことで、産地から直接届くという性格が言葉より先に伝わります。生産者との距離の近さを訴えたいサイトが参考にしやすい見せ方です。
操作要素は端と下部へ控えめに寄せています
スライドを送る操作は、左右の端に細い矢印、下部中央に四つの小さなドットという形で用意されています。どちらも白の細線で描かれ、写真や見出しの邪魔をしません。複数枚の内容があることはドットの数で分かるようになっており、必要な手がかりだけを最小限の面積で示しています。
スライドショーのすぐ下には、チャコールグレーの細い帯が横いっぱいに走り、黄土色のイタリック体で英文が一行だけ置かれています。明るいファーストビューと白い新着情報欄のあいだに濃い色の線を一本挟むことで、画面全体が引き締まって見えます。
縦に積み上げたブロックと四枚並びのカードで情報を整理しています
トップページは、新着情報、コンセプト、生産者紹介、読み物という順に、性格の違うブロックを縦へ積み上げた構成です。どのブロックも横幅いっぱいには広げず、中央にそろえた領域のなかでカードを並べているため、視線は自然と画面の中央を上から下へ流れていきます。
新着情報は写真付きのカードが四枚並びます
見出しの下には、正方形に近い写真、太めの和文タイトル、小さな日付、数行の説明文という順で組まれたカードが四枚横に並びます。文字はすべて中央そろえで、写真の下に置かれた要素の幅がきちんと合っているため、四枚が一つのまとまりとして見えます。日付は本文よりかなり小さく、色も薄いので、タイトルを読む邪魔になりません。
カードの下には黄土色のボタンが中央に一つ置かれ、一覧へ進めることが分かります。並べる枚数を四枚に抑えたうえで続きをボタンに逃がす構成は、トップページが縦に伸びすぎるのを防ぎながら、情報が動いていることを伝えるのに向いています。
コンセプトは四つの線画アイコンで図解されています
中央に英文の見出しと日本語の説明文を置いたコンセプト欄の下には、細い線だけで描かれたアイコンが四つ並びます。野菜の入った木箱、芽を載せた手のひら、帽子をかぶった生産者、土から伸びた根菜という具合に、扱っている商材と作り手を素直に絵にしたものです。写真ではなく線画を選んだことで、写真が続くページのなかで休符のような役割を果たしています。
アイコンの下にはFreshness GuaranteedとLocally Madeという英語の小見出しが並び、それぞれの下に日本語の説明が添えられています。続けてCarefully Sourced、Customer Focusedと、鮮度、地元の作り手、品質、買いやすさという四つの姿勢が同じ形式で示されており、英語と日本語のどちらの読者にも要点が届く組み方になっています。説明文の行数がそろっているため、四つの列の下端もきれいに並びます。
コンセプト欄の文章の下には、下線付きの短いテキストリンクが中央に置かれ、創業者の考えを書いたページへ進めるようになっています。ボタンではなく下線のリンクにしているぶん主張は弱く、読みたい人だけが進む導線として設計されています。
生産者は顔写真つきのカードで紹介されています
Our Producersの見出しの下には、横長の写真と、農園名に産地名を角括弧で添えたラベル、小さな矢印を組み合わせたカードが三枚並びます。写真はいずれも畑やハウス、作業場で撮られた人物写真で、誰が育てているのかが一目で分かります。矢印はラベルの右側に置かれ、カードが次のページへの入り口であることを示しています。
読み物のカードも同じ形式でそろえています
ページ下部のHata’s Signalでは、料理写真、記事タイトル、日付と書き手の名前、抜粋文という構成のカードが四枚並びます。新着情報の欄と同じ骨格を使い回しているため、読者は新しい読み方を覚えずに済みます。扱う内容が商品から読み物に変わっても、写真の比率と文字の階層をそろえておけば、サイト全体の印象は崩れません。
二つの言語で使うことを前提にしたUIです
Hata’s Hamperは英語を既定としながら日本語にも切り替えられる二言語構成で、その前提が画面のあちこちに現れています。表示言語を切り替える仕組みは、ヘッダーの右側とフッターの下部という、探しやすい二か所に用意されています。
ヘッダーは中央にロゴ、両端に機能を寄せています
ヘッダーは白の背景に、中央へ手書き風の筆記体で組んだロゴ、左端にメニューを開くための三本線、右端に言語の切り替えと検索、アカウント、カートのアイコンという並びです。中央のロゴを軸に左右で役割を分けているため、要素の数は多くても混み合って見えません。アイコンはいずれも細い線で描かれ、ロゴの手書き感と調子がそろえられています。
英文と和文が同じ画面に無理なく同居しています
見出しの多くは英語、説明文は日本語という役割分担になっており、英文は雰囲気をつくる役、和文は内容を伝える役を担っています。日本語の説明文は行間を広めに取り、字面の細いゴシック体で組まれているため、英文のセリフ体の隣に置かれても浮きません。二言語のサイトで書体の相性に悩むときの、実用的な解き方が見られます。
フッターは濃色でまとめ、ページ全体を引き締めています
ページの最後は、チャコールグレーの背景に黄土色の見出しと明るいグレーの文字を載せたフッターです。明るい紙のような本文領域から一転して濃い面になるため、ページの終わりが視覚的にはっきりします。
三列の構成でリンクと文章を分けています
フッターは左にリンクの一覧、中央と右に短い文章という三列構成です。リンク側は縦一列に並べて拾いやすくし、文章側は運営の考え方を伝える役割に徹しています。左下にはメールアドレスの入力欄と矢印のボタンが置かれ、最新の情報を受け取る導線が用意されています。
最下部に言語の切り替えと運営表示をまとめています
いちばん下の帯には言語を選ぶプルダウンと著作権の表示が置かれ、右側には小さなアイコンが並びます。FacebookとInstagramのアイコンは入力欄と同じ列の右端に控えめに配置され、本文の流れを妨げません。最後まで色数を増やさずにまとめ切っている点が、全体の上質な印象につながっています。
サイトの背景にある考え方と運営者
画面の落ち着きは、サイトが伝えようとしている中身とも結びついています。Hata’s Hamperを運営しているのはCiseLife Co., Ltd.で、所在地は兵庫県芦屋市三条南町6-13-2です。特定商取引法に基づく表記のページに、運営者の情報がまとめられています。
創業者でありオーナーの秦 紀子様は、航空業界で働きながら二十八年間を海外で過ごし、五十か国以上を旅してきたと紹介されています。オーストラリア出身の夫が日本へ移り住んだ際、日本語だけのサイトが多く買い物に苦労したことがきっかけとなり、海外から訪れる人にも日本の良いものを楽しんでもらえる場をつくったと述べられています。英語と日本語を対等に扱う画面設計は、この成り立ちがそのまま形になったものです。
紹介されている生産者には、富良野の坂本農園や中山農園、中富良野のファームかさい、大阪府羽曳野市の藤井農園などがあり、商品はチーズ、野菜、フルーツ、スイーツ、米や穀物といったカテゴリーに分かれています。よくある質問のページでは、扱う商品に季節物が多いこと、届け先が日本国内であること、生産者からの直送のため到着まで日数を見ておく必要があることが説明されています。産地直送の食材を厳選して扱うサイトとして、生鮮品ならではの条件をあらかじめ開示している点は、信頼を保つうえで参考になります。
まとめ:Hata’s Hamperのデザインから学べること
Hata’s Hamperのトップページは、色数を三系統に絞り、写真と余白に語らせる設計で、高級食材のセレクトショップという立ち位置を無理なく表現しています。左右分割のファーストビュー、四枚並びのカード、線画のアイコン、濃色のフッターという部品はどれも特別なものではありませんが、配色と余白の基準が最後までぶれないため、全体として上質にまとまっています。
こだわりの野菜やフルーツのように、素材の色そのものが魅力になる商材を扱うときは、写真がいちばん鮮やかに見える背景を選び、押してほしい場所だけに一色のアクセントを置く、という二点を押さえるだけでも画面の印象は大きく変わります。Hata’s Hamperは、その二点を丁寧に実行した見本といえます。
実際の配色や写真の質感、カードの並び方は、画面で確かめていただくとより分かりやすいはずです。こだわりフルーツを通販で探している方は、Hata’s Hamperの公式サイトをご覧ください。







